仏壇やお墓にお供えする花を、仏花(ぶっか)といいます。

阿弥陀さま、ご先祖さまに感謝の心を込めて、
できるだけ新鮮な花をお供えし、綺麗な状態を保ちたいものです

「そろそろお仏壇のお花えないと…。
でもお花ってすぐ枯れるし、ちょっと高いし…。」

今回は、スーパーや産直でよく見かける組花くみばなを使って、少ない本数で生けるコツをお伝えします。

花瓶かひん花留はなどめ・ハサミを用意します

花瓶(かひん)は、普段からお使いのもので充分です。
※ 本願寺派では、花を立てる仏具を、花瓶(かびん)と書いてかひんと読みます。

どう製や陶器とうきなどであれば重みがあり、多くの花を入れた時でも、より安定します。

※ ハサミは、花専用のものを用意しましょう。

フラワーアレンジメント用ハサミ(左上の写真)は、ホームセンターなどで手軽に購入できます。

蕨手わらびてのハサミ(右上の写真)は、大きな力を加えて、生木なまきの枝などの固いものを切断することが出来ます。

切れ味の良い清潔なハサミを使用しましょう。

切れ味の悪いハサミは、茎をつぶして水が上がらなくなったり、雑菌が湧いたりしてしまいます。

花留はなどにも、いろいろな種類・方法があります。

花瓶かひんの中で、花が倒れたりあばれてしまうので、安定させる必要があります

簡単なのは、輪ゴムで花束にしてしばる方法で、多くの方がこの方法で花をまとめておられます。

他にもオアシス(吸水スポンジ)を入れたり、ねっこねっと(糸状の樹脂じゅしを仕込む方法)を用いたり、広めの花器であれば剣山を使う方法もあります。

ペットボトルを細く長く切って丸めても、花留めとして使えます。

※ 何が適しているのか分からない場合は、おたずねください。

②「組花くみばな」を買ってきます

今回の花材かざいは、スーパーや、産直で売られている組花くみばなを用います。

組花は、きくなどを中心に色々な種類の花が組まれているので、仏花には最適ですきくやカーネーションなどは割と長持ちし、色どりも華やかです。

今回は、一対いっつい(2つの花を対称たいしょう)に生けるので、二束を購入しました。

薔薇ばらなどのトゲ花や、造花ぞうか仏花にはふさわしくないとされています。

※ 庭先に咲いている花でも結構です。季節に応じて、生けましょう。

③花は水中で「水切みずきり」し、くきは「ななめ」に切ります

花は買ってきたら、すぐに水にけてバラします。

バケツなどに入れ、深水ふかみずにつけて水切みずきしましょう。水中で切ることで、切り口に水圧すいあつがかかり、くきから水が上がりやすくなります。

茎はななに切りましょう。切り口の面積が広ければ、よりたくさんの水を吸い上げることが出来るので、花が長持ちします。

花をより長持ちさせるには、
切り口から水揚みずあざいを吸わせたり、バクテリアなどがわきにくい延命剤えんめいざいを水に混ぜて入れたりする方法もあります。

④花の高さを決めて切ります

一番高く生ける花を決めて、花瓶(かひん)の3倍ほどの長さで切ります。
※ 特に決まりはありませんが、適宜てきぎ、美しく見える長さに切ってください。

一番背の高い花を、後ろします。

花の表情がよく見えるように、段々と手前に生けていきます

余分な葉は、切り除きます。傷んだ葉が水に浸かると、水中のバクテリア雑菌ざっきんを増やす原因になります。

一番手前に、小菊こぎくやスターチスなどの花をバランス良く散らします。

上から見るとこんな感じです。

⑤仏壇に飾りましょう

花を生け終えたら、お仏壇に飾ります。

今回は、五具足ごぐそく香炉こうろ・ロウソク立て×2・花瓶かひん×2)の形式で、花を両脇に飾りました。

お仏壇の広さに応じて、三具足みつぐそく(香炉・ロウソク立て・花瓶)の形式でも結構です。

生けた初日は、特に花が水をたくさん吸い上げるので、たっぷりと水を与えておきましょう

「花を同じ高さにしないこと」がポイントです!

いかがでしょうか。

たった5つの花材でも、花をだんにしてせることで華やかに飾れます!

少しずつ高さを変えるだけでも違いますので、同じ高さに切らないことがポイントです。